ネコチャンワールド

千利休が認めない男ビデオ

BUGIS(Banyak tahUn mengGantI Suami)

三年経っても帰らない夫が憎かった、反省の余地はないし神に彼を罰して欲しかったと容疑者は供述していた。

 

Bang Toyibというのは、Toyibさんのことだ。彼は家庭を顧みず、何年経っても家に帰ることがない。イスラム教の重大行事であるラマダンにすら家に帰らず、断食の度に会えない悲しさに枕を濡らす日々を重ねている家族も多い。

 

俺もそんなBang Toyibに悩まされる男だった。

俺は地方都市に住む変なオタクだった。ピクシブに跳梁跋扈する絵の女ではなく、子供向けにデザインされた、ステータスを可愛さに極振りしたようなキャラクターが大好きという特に変な存在だ。

昔活動していたキャラクターの画像を探すために、GoogleTwitterなどで検索してみよう。すると全く出てこない。それでも検索ワードの傾向を掴むためにまず2日努力してみよう。これを1週間、1ヶ月、1年と続け、4年も経てば画像検索学部の卒業生だ。さらに2年続けるとキャラクターの画像漁りで専門職として活躍するのも夢じゃない。

 

俺は3年前にあるキャラクターに救われた。共通の趣味を持った男に絶縁され、悲しみに暮れていたところを絶望の底から救ってくれたが、それ以降その子に出会うことはなかった。

絶縁は大きな心の溝を与え、俺の心を日に日に蝕んでいった。救ってくれたキャラクターのことを思って眠れない日々や、苦しさから音楽や大きなぬいぐるみに救いを求めようとする日々も少なくなかった。永遠の後悔と離別の辛苦が頭を劣化させ、脳を弱らせていく。

 

悲しみを忘れるため画像漁りに励む日々を過ごしていたところ、俺はあるキャラクターと出会った。彼は実体化していなかったが、とても可愛かったのでファンアートを描いたり怪文書を垂れ流したりした。

愛情と悲しみのせめぎ合いが続く数ヶ月を経て、彼はついに実世界に形として現れることとなった。俺はチャンスを逃したくはないと考え、彼のいる長野市へと飛ぶことにした。興味深いことに同じコミュニティの軍団も同時期に大移動してきたため、長野市は変態どもが集うソドムの街になった。

 

俺は長野駅で子供のカモシカ駅員さんに出会った。彼は不釣り合いなサイズの制帽を被り、新幹線のマントを着て格好つけていたようだった。

彼は子供の頃親と逸れたところを駅員に拾われ、鉄道のオタクになりながら駅員として働いているらしい。

 

彼が姿を見せたとき、その場にいた風紀の乱れた輩たちは大声援を送っていた。無論、俺もその一員だった。駅中がライブハウスの様相を呈しているようにも感じられる。

俺は3年間会えなかった彼のことを忘れるため、数百回もシャッターを切った。

 

個別撮影会に呼ばれて彼と触れ合った刹那、久しく出会わなかった刺激が閃光の如く脳下垂体を貫く。

とてもきもちがいい ‼️

新たな画像を見つけた時に感じた報酬系の刺激を遥かに上回る。絶頂に達しそうだ‼️

 

俺は撮影中にもかかわらず気絶した。目が覚めるとそこには3年も会えなかったキャラクターが立っていた。

 

触覚を通して伝わるおやきのようにふっくらした手が俺の脳に信号を伝えてくる。会えるキャラに推しを変え、幸せを掴みたい‼️ そんな感情が脳をハイジャックした。

俺はそこにいたキャラを何度も殴った。恨みにも似たような感情をぶつけるように、一撃一撃に感情が籠っていた。しばらくするとキャラは動かなくなってしまった。

ゴムまりのように跳ね出し、空中浮遊したグルの感情が理解できた。これこそが生きるってことなのか!!!

 

何もかもが終わった時、今までにない喜びの表情を浮かべた写真が撮れていた。もうBang Toyibに悩まされることはない!憎しみや悲しさに枕を濡らす日々はうんざりだ!!!こんな最高のイニシエーションが100人の変態たちに施されると思うと感激してしまった。

 

これからは現地にいた輩たちと共に最高の軍団を形成し、Bang Toyibに煩わされない栄光の巡礼を繰り返す!彼のソドムの街にバベルの塔を建設し、マスコットという共通言語で栄えようじゃないか!!!

 

最高のsaudaraとsuamiに囲まれる生活が始まったのであった。